「動脈硬化」は、血管の壁にコレステロールが付き、血管の内側が狭くなったり、詰まったことで血液の流れが悪くなった状態のことです。 その動脈硬化が原因となり発症する主な病気は、「脳梗塞」「心筋梗塞」「狭心症」などです。 しかし、動脈硬化は、脳や心臓だけでなく、全身の血管に起こりうるのです。 閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって、脚の血液の流れが悪くなり、脚に痛みなどの症状を引き起こす病気です。 アメリカでは、65歳以上の人の閉塞性動脈硬化症はおよそ15%にもなるといわれています。 最近は、日本においても中高年を中心として多く見られるようになった病気です。 閉塞性動脈硬化症は、太ももやすねなどの血管以外にもおこります。 たとえば、下腹部で大動脈から左右の脚に分かれている血管です。 また、人によっては同時に数ヵ所の部分に発症する場合もあります。...
脚に動脈硬化が起こっても初めは、ほとんど自覚症状はありません。 動脈硬化が進行して、一定の距離を歩いたときに、脚の筋肉の主にふくらはぎが締め付けられるような痛みが起こり、歩くことができなくなります。 しかし、数分休むと痛みが治まり、また歩けるようになります。 このような状態を「間歇性跛行」といいます。 この間歇性跛行も閉塞性動脈硬化症の特徴の1つです。 さらに症状が悪化すると、歩かなくても脚が痛い状態になります。 その痛みは、夜眠れないほどになる場合もあります。 そのまま治療もせず、放置していると「潰瘍」ができたり、さらに悪化してしまい「壊死」ということにもなります。 壊死を起こしてしまうと切断しなければならなくなることがあります。 安静時でも脚が痛い人や潰瘍がある人が治療をせずに、放置していると半年間でおよそ40%の人が脚を切断する必要がでてきます。 しかし、間歇性跛行だけの場合、初期の段階できちんと治療をすると、脚を切断する必要がある可能性は、およそ5年で5%くらいです。 脚の切断を防ぐためにも、間歇性跛行の段階できちんと治療することが大切です。 閉塞性動脈硬化症の診断は、医療機関を受診して「脚の脈拍」「上腕と足首の血圧」を調べることでわかります。...
閉塞性動脈硬化症の治療と対策のポイントをまとめました。 <薬物療法> 主に使用する薬は次のものです。 抗血小板薬・・・血液を固まりにくくします。 血管拡張薬・・・血管を広げ、血液の流れを改善します。 「タスチン」・・・動脈硬化の進行を抑制する効果があるので有効です。 <糖尿病、高血圧、高脂血症の調整> 糖尿病、高血圧、高脂血症などは、閉塞性動脈硬化症の原因となります。 生活習慣を改善したり、薬物療法を行い適切に調整することが必要です。 感染を防ぐためにも清潔に保つことも大切です。 また、閉塞性動脈硬化があると足の傷の場合、治りにくいので靴下を履くなどして足を守ります。 <適度な運動> 歩くことで、狭くなった血管の血液の流れを補助するために細い血管が発達します。 およそ30分間、「脚が痛くなるまで歩き、痛くなったら休んでまた歩く」ということを繰り返します。 これを1日に2回行い、継続していくと歩ける距離が徐々に延びていきます。 心臓病や高血圧などの人は、運動を始める前に必ず医師に相談してください。 <禁煙> たばこを吸うことで血管の壁を傷つけてしまいます。 そのため、動脈硬化を促してしまいます。 閉塞性動脈硬化症には、禁煙はとても重要なことです。...
次のような状態のときは、「バイパス手術」「カテーテル治療」を行い、血流を改善します。 1.安静していても脚に痛みがあります。 2.潰瘍や壊死があります。 3.生活習慣改善や薬物療法では治らない場合です。 間歇性跛行の状態でも、生活する上で支障があるときは、手術を行うことを検討されます。 <バイパス手術> バイパス手術とは、脚の静脈や人工血管を使用して、詰まってしまった血管の代わりとなる新しい血流の道をつくる手術です。 血管の詰まってしまっている部分が長いときに行います。 一般的に、手術時間はおよそ3?4時間です。 入院期間は、7?10日ほど必要になります。 <カテーテル治療> カテーテル治療は、血管の詰まってしまっている部分が、短いときに行います。 カテーテルという細い管を脚の付け根から挿入していき、血管の詰まっているところまで送ります。 そして、カテーテルについている「バルーン」を膨らませて血管を広げます。 「バルーン」膨らませて広げただけでは、また詰まってしまう可能性があるので、「ステント」という金属製の網状の筒を入れておきます。 イパス手術を比べると体への負担が軽いです。 カテーテル治療にかかる時間は、およそ1?2時間で、入院期間は、3?5日ほどです。 カテーテル治療後は、ステントに血栓が付きやすくなりので、抗血小板薬を服用します。 閉塞性動脈硬化がある場合は、脚以外の部分でも動脈硬化が進行している可能性があります。 脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクも上がります。 閉塞性動脈硬化が疑われる場合は、早めに血管外科を受診するようおすすめします。 心臓血管外科や循環器内科でも相談できます。...